
前回は、投資を始めたきっかけと、高配当株を中心にした今の方針をまとめた。今回は、私が高配当株を選ぶときに、どこから候補を探し、何を確認し、どんなときに見送っているのかを紹介する。
以前、ネットで見つけた条件で銘柄を絞り込み、事業をよく知らない企業を買って大きく損をしたことがある。今の選び方は、その経験を踏まえて少しずつ作ってきたものである。
候補の探し方
候補の銘柄は、主に次の3つの方法で見つけている。
- 日常で気になったもの:普段の生活で目にした企業やサービス
- AIに調査させたもの:条件を伝えて、候補を挙げてもらう
- 次に来るものを想像して:これから注目されそうな分野を考え、関連する企業を探す
日常で気になった企業は、どんな事業をしているかイメージしやすいのが利点である。条件だけで選ぶと、その企業を理解しないまま買ってしまいがちなので、入口を一つに絞らないようにしている。
AIに確認してもらっている項目
候補が見つかったら、AIに次の項目を調べてもらう。
- 配当利回り
- 配当の継続性と、増配・減配の履歴
- 業績と財務
- 主要な業務
数字だけでなく、「その企業が主に何で稼いでいるのか」まで確認するのがポイントである。前回書いた失敗は、指標は良く見えても事業の中身を知らなかったことが原因の一つだった。
ただし、AIの回答をすべてそのまま信じているわけではない。AIの回答には古い数字や誤りが混ざることがある。条件が良すぎる銘柄は、決算資料などで自分でも調べるようにしている。
配当利回りは4%以上を目安にする
配当利回りは、4%以上を一つの目安にしている。
理由は少し変わっていて、SNSで「利回り4%以上」を高配当の基準として紹介する投稿を多く見かけたからである。多くの人がこの基準で銘柄を探しているなら、4%を超える銘柄はこれから紹介され、買われる可能性が高いのではないか、と考えた。
これはあくまで私の仮説で、そうなるとは限らない。検証もしていない。それでも、自分なりの理由を持って基準を決めておくと、迷ったときに判断しやすくなる。
利回りが高すぎる銘柄は避ける
一方で、利回りが高すぎる銘柄は避けている。
利回りがそこまで高くなっているのに、まだ買われていない。それは、多くの人が何かしらの理由で買うのを避けているということかもしれない。株価が下がった結果として利回りが高く見えているだけの場合もある。理由が分からないまま買うのは怖いので、見送るようにしている。
増配傾向は10年分ほど確認する
増配傾向は、10年分程度の配当の推移を見て判断している。
ここで、過去に一度でも減配していたら候補から外す、というわけではない。減配は多少なら気にせず、その理由を見る。
- 許容する例:新型コロナのような、一時的な外部要因による減配
- 避ける例:減配のあと、主要な業務が変わってしまった企業
一時的な要因であれば、状況が落ち着いたあとに配当が戻る可能性がある。一方で、主要な業務が変わった企業は、過去の配当の実績が今後の参考になりにくいと考えている。
購入を見送るとき
確認した結果、次のような場合は購入を見送る。
- 規模が小さすぎる企業
- 業績が世の中のトレンドに強く連動している企業(例:AIブームに連動して業績が伸びている企業)
トレンドに乗っている企業は、業績が大きく伸びることがある。ただ、私が高配当株に求めているのは、流行に左右されにくい安定性である。ブームが落ち着いたときに業績や配当がどうなるか読みにくい企業は、高配当株としては選ばないようにしている。
この選び方の限界
- ここに書いた基準は、私の経験と仮説から作ったもので、過去データで成績を確かめたものではない
- 似た考え方(利回り3.5%以上・減配なし・配当性向70%以下)を機械的なルールにして2015〜2026年で検証した第2回では、最大ドローダウンは小さかったが、年率リターンはTOPIX連動ETFを1.16ポイント下回った。条件を満たす銘柄が少なく、資金の約半分が現金になったことが主な理由である
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減配の理由や「主要な業務が変わったか」の判断には、どうしても主観が入る
まとめ
私が高配当株を選ぶ流れをまとめると、次のようになる。
- 日常・AI・今後の注目分野から候補を探す
- AIで配当利回り、配当の推移、業績と財務、主要な業務を確認する
- 利回り4%以上を目安にし、高すぎるものは避ける
- 10年分ほどの配当推移を見て、減配があれば理由を確認する
- 規模が小さすぎる企業や、トレンドの影響を強く受ける企業は見送る
- 条件が良すぎる銘柄は、自分でも調べる
数字が良いかどうかだけでなく、「なぜその数字なのか」「自分が理解して持ち続けられるか」を確認することが、今の選び方の中心になっている。
次回は、増配が続いた場合に、買ったときの価格に対する利回りがどう変わるかを計算する。
本記事は過去データにもとづくシミュレーションと情報整理であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。