競艇AIの過去T4シミュレーションは137件・回収率103.5%でした。一方、保存済み予測台帳のproduction系統を集計し直すと804件・利益率-10.0%でした。ただし、二つは期間もモデル構成も異なり、同じ固定戦略の成績推移として比較することはできません。
この記事は、2026年10月15日に評価コードと保存済みCSVを照合した検証記録です。モデルの再学習や新しい予測は実行していません。集計対象の末日は2026年9月16日で、現在の運用成績をリアルタイムに示すものではありません。
回収率と利益率を区別する
回収率は「払戻÷投資額」、利益率は「(払戻−投資額)÷投資額」です。回収率103.5%は利益率+3.5%と同じ意味です。本記事では正負のROIを利益率として示し、回収率には必ず「回収率」と記載します。
過去T4実験:137件、払戻14,180円
対象は2026年7月18日生成の 20260718_current_strategy_refinement_final という保存済み実験です。current_blend_liveEV の精算対象行は2026年6月2日〜7月14日。1点100円の仮想計算で、実際の購入履歴ではありません。
| 件数 | 的中数 | 総投資 | 総払戻 | 損益 | 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 137 | 78 | 13,700円 | 14,180円 | +480円 | 103.5% |
保存済みレポートの利益率95%信頼区間は-20.5%〜+29.3%、最大ドローダウンは2,220円です。今回は台帳の件数・投資額・払戻を再集計し、元の表と一致することを確認しました。信頼区間とドローダウンは保存済み評価値で、今回再計算した値ではありません。
固定されていた条件
- 締切約4分前(T4)の実オッズを使用し、判定余裕1分以上を主評価とする。
- 候補はパターン一致または推定EV 1.30以上。モデルと市場確率を重み0.50でブレンドし、オッズ割引後の判定値1.25以上で絞る。
- 有効な市場オッズが5艇以上の場合に市場確率を使い、不成立時はモデル確率へ戻す。
- 1点100円、1レース500円、1日5,000円、日次損失停止3,000円の条件を適用する。
- 選定は締切前情報、精算は公式払戻を使う。
同じレポートでは、モデルの1番手が1,880件・利益率-10.2%、市場の1番手が1,914件・利益率-19.9%でした。さらに判定値1.60の条件は52件・利益率+46.0%でしたが、同じ標本を見て探索した診断値です。独立した前方検証の実績として扱いません。
予測台帳の再集計:productionは804件
保存済み shadow_ledger.csv から、各アームの対象フラグがTrue、T4オッズが1.0より大きい、判定余裕が1分以上の行を抽出しました。以下はすべて1件100円に換算した仮想損益です。実購入額や口座残高ではありません。
| 系統 | 件数 | 的中数 | 払戻 | 利益率 | 精算対象レースの期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| production | 804 | 285 | 72,370円 | -10.0% | 2026-05-23〜09-16 |
| blendEV | 342 | 108 | 30,070円 | -12.1% | 2026-05-24〜09-16 |
| shadow | 47 | 16 | 4,770円 | +1.5% | 2026-05-24〜09-16 |
| pattern | 1,597 | 620 | 146,500円 | -8.3% | 2026-05-23〜09-16 |
この表の集計CSVを保存する。CSVの net_roi_percent は利益率の百分率です。productionなら804×100円=80,400円に対し、払戻72,370円、損益-8,030円、利益率-9.9876%となります。
「同じ固定戦略のforward」と呼べない理由
arm_production は、各予測JSONの生成時にrecommendationsへ出力された候補を集めた区分です。804行にはartifact版 1.0、2.0-rolling、2.1-conservative-live-odds、2.3-4min-odds-drift-curve が混在しています。過去T4実験のartifact版 2.4-t4-blend50-gate とも一致しません。
したがって、この表から「特定の固定モデルが将来もこの成績になる」とは判断できません。予測時点で候補が残っていることと、モデル・校正器・条件を一度も変えていないことは別です。固定戦略の評価には、モデル版・条件・評価開始日をそろえた台帳を別に切り出す必要があります。
信頼区間と採用基準をどう読むか
保存済み adoption_status.csv のproductionは、利益率95%信頼区間-20.1%〜+1.0%、前半-9.3%、後半-10.7%です。評価コードは同じレースの複数候補を独立扱いせず、レース単位で5,000回再標本化するbootstrapを使います。今回は計算手順を読んで確認し、信頼区間の再計算は行っていません。
| 保存済み評価の基準 | productionの値 | 結果 |
|---|---|---|
| 精算済み200件以上 | 804件 | 満たす |
| 利益率95%CI下限が0より大きい | -20.1% | 満たさない |
| 時系列前半の利益率がプラス | -9.3% | 満たさない |
保存済み評価の結論は採用0アーム、stake=0の継続です。shadowの利益率+1.5%も47件しかありません。さらにproductionは複数版が混在するため、件数だけを満たしても単一戦略の昇格判断には使えません。
再集計の手順と確認範囲
- 対象アームのフラグと、T4オッズ・判定余裕を使って行を抽出する。払戻や的中は抽出条件に使わない。
- 抽出した件数を投資単位数として数える。
ret_multの合計に100円を掛けて仮想払戻を計算する。 - 利益率を
sum(ret_mult) / 件数 - 1で計算し、保存済み評価表と照合する。 - 対象レースの開始日・終了日、artifact版の種類を同時に確認する。
元の予測JSON、公式払戻、収集時刻の真正性までを今回再検証したわけではありません。公開したCSVは集計値の確認用です。台帳全体や元データを公開していないため、読者が本記事のCSVだけでモデル性能を完全再現することはできません。
2026年10月15日の訂正
旧版はproductionを515件・利益率-2.9%と記載し、「条件を固定した前方検証」と説明していました。今回確認した保存済み台帳と評価表は804件の集計で、旧515件の元スナップショットは特定できていません。追跡できる台帳の再集計値へ更新し、複数のartifact版が含まれることを明記しました。旧値が誤計算だったと断定するものではありません。
過去T4の137件・14,180円は台帳と一致したため維持しています。利益率の定義、対象期間、再計算した項目と保存済み評価から引用した項目も区別しました。
第2回:締切前オッズの時点を確認する / 第3回:モデルと市場を比較する
本結果は過去の検証記録であり、利益や的中を保証せず、舟券の購入を勧めるものではありません。